アルコール東大数学全完サークル

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東大理系数学2018 駿台・河合・代ゼミ・東進講評比較早見

 

みなさんこんにちはアルコール東大数学全完サークルことアトマス(https://twitter.com/@atomath_home

)です。東大を受験された方、二日間お疲れ様でした。試験後はやはり各予備校の今年度入試問題の分析が気になるところですが、より正確な情報を得るためにはできれば色々な意見を見ておきたいですよね。そこで今回は、大手予備校である駿台・河合・代ゼミ・東進が発表した講評の要約、比較早見表を作成しました。難易度などは各予備校ごとに提示し、講評は4校のものを要約したものを載せました。また、こちらにアトマス会員が解いた解答と講評、分析が載っているので、近い年代の人が解いた生の感想を見てみたい方は是非チェックしてみてください!

 

atomath.hatenablog.com

 

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1.総括

試験時間:150分

満点:120点

予備校

駿台

河合

代ゼミ

東進

難易度

難化

やや難化

難化

難化

分量

昨年並み

やや増加

同程度

───

 

2.全体概要

一昨年、昨年の易化から比べ、全体含め特に後半問題の難易度が上昇した。東大ではおなじみの重厚な積分計算や確率の問題は見られなかったが、東大らしい複数の動点を扱う問題や軌跡領域問題、一見簡単のように見えるが正確な記述は難しい問題などもあり、受験生の数学力によって点数が別れやすいセットであった。第1問と第4問は比較的易しい問題だったので、ここは確実に得点しておきたい。一方それ以外の問題は簡単なものはなく、どれも完答は難しい(特に大5問と第6問)ので、手をつけやすい問題を判別し部分点を取りに行くのが賢明だろう。

 

3.大問分析

第1問 微分法、極限

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予備校

駿台

河合

代ゼミ

東進

難易度

やや易

やや易

やや易

講評:今年のセットでは最も簡単であっただろう問題ゆえしっかりとっておきたい。1階微分で増減表を作り、符号が一瞥で判別できない部分の式はそこを抜き出して増減を調べると良い。極限計算も基本的である。

 

第2問 整数、数列

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予備校

駿台

河合

代ゼミ

東進

難易度

標準

標準

やや易

やや難

講評:(1)2n+1とn+1は互いに素であることがポイント。既約分数に注意。

(2)(1)で求めたpnqnを用いてanを表し考察したり、分子、分母に含まれる素因数2に着目する方法もある。

 

第3問 軌跡領域、ベクトル、極限

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予備校

駿台

河合

代ゼミ

東進

難易度

標準

標準

標準

標準

講評:東大らしい複数の動点の軌跡、領域を扱う問題。定石通り一方を固定して考えると良い。ベクトルで与えられた条件式は元の放物線を相似拡大し平行移動させることを示している。ベクトルの表す幾何的意味に注意するとkの値により場合分けが必要でここに気づくかがポイントとなる。

 

第4問 微分法、図形と方程式

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予備校

駿台

河合

代ゼミ

東進

難易度

やや易

やや易

やや易

講評:3次方程式の解の配置問題。定数分離を用いて考え、視覚的に考察すると良い。a>β > 1がポイントとなる。問題集などで良く見かけるいわゆる典型問題だったので、見て安心した受験生も多かったのではないだろうか。

 

第5問 複素数平面、軌跡領域

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予備校

駿台

河合

代ゼミ

東進

難易度

やや難

やや難

やや難

講評:(1)初めから対称点 Q(u) を z で表す部分が難解。実数平面に落とし込むなどして工夫したい。これが求まれば絶対値は代入するだけ。(2)これは(1)の結果を用いて軌跡の方程式を求めるが、限界の議論が難しい。図形的意味をうまく考察できれば解答に比較的早くたどり着けるが発想は難しく、どちらにしても多くの受験生にとって試験時間内に完答するのは難しい問題であっただろう。

 

第6問 空間座標、体積

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予備校

駿台

河合

代ゼミ

東進

難易度

やや難

やや難

やや難

やや難

講評:東大頻出の空間図形の求積問題。4つの小問で構成されているので、各設問にそって解答するのが良い。図形の概形が把握できれば積分計算自体は難しくない。適宜幾何的考察を踏まえ、体積は断面図を考えとくのが良い。ひねった設定はないが純粋に難問であり、大5問と同様完答するのは難しい。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。やはり今回の数学はどの予備校も難化であるとの意見で一致したようですね。大問ごとに見ても、やはり第1問と第4問でしっかり得点し、残りの大問(特に第2問、第3問)で部分点を稼ぐのが今回の正攻法でしょう。確率や重い計算問題がなかったのは意外でしたが軌跡領域の分野の問題が2問も出たり、条件に注意が必要な整数の問題や複雑な仕組みの問題があったりと東大らしい一面も見えましたね。他科目を見てみると英語は傾向がやや変わり難化気味、物理は圧倒的に分量が増え難易度も上昇したりと特徴の多い年になったのではないかと思います。

 

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